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私立恵比寿中学 7thフルアルバム『私立恵比寿中学』 [エビ中]

3月23日に発売されました、エビ中さんの7thフルアルバム『私立恵比寿中学』

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先日発表されたチャートでは、オリコン、ビルボードともに見事週間4位となりまして、なかなか思うようなプロモーション活動もできない状況ではあったでしょうが、メンバー、スタッフのみなさん、お疲れさまでした。

それにしても、今回もまたエビ中の最高を更新するような、素敵なアルバムとなったんじゃないでしょうか。
一切の誇張なしに、発売からこっち毎日聴いてますし、大げさではなく、この一週間このアルバムしか聴いてないぐらい、すでに大好きな作品です。
各楽曲の質の高さはもちろん、アルバム全体の流れであったり、40分余りという収録時間のコンパクトさもあって、一度聴き始めると最後まで聴かずにいられなくなるような、そんな魅力にあふれた今作。
メジャーデビュー以降、「中人」「金八」「穴空」「エビクラシー」「MUSiC」「playlist」と、そのどれもが個性的なアルバムであったように、今回もまたとても個性的で、けれどもたしかにその延長線上に存在している、「私立恵比寿中学」はそんな作品ではないでしょうか。

そこでやはり気になるのは、そのタイトル。

いままでのような抽象的な単語や造語ではなく、まさに自身のグループ名をセルフネーミングしたことで、アルバムに対するイメージをより具体的に抱きやすかったということもあってか、発売後にその先入観とのズレに困惑するコメントもチラホラ見かけました。

てことで、今回のアルバム「私立恵比寿中学」というセルフタイトルについて、自分なりの結論というか、まあ、考察というほど大層なもんではないですが、「こういう意味だと捉えるといろいろ腑に落ちた」程度のことをまとめてみようかと。
いちおう断っておきますが、エビ中が好きで仕方のない、ただのしがないおっさんの言うことですからね。
専門的な知識も深い洞察力も持ち合わせておりませんので、まあ、アルバムを聴くうえでのちょっとした"ツマ"みたいなもんだと思って読んで頂けるとありがたいです。


今回のアルバムですが、昨年11月23日のオンライン特典会の配信で発売が発表され、同時(でしたっけ?)に特設サイトがオープン。
そして12月27日の大学芸会「Reboot」初日公演の中で、アルバムタイトルが発表、という流れだったと思います。
特設サイトでは、第一弾リード曲として配信された「Anytime,Anywhere」になぞらえた「同じ『とき』を過ごして 同じ『ばしょ』で繋がりましょう」というメッセージによって、「ファミリーとともに作り上げていくアルバム」というテーマが示されました。
この時点では正直、「そんなに迎合したものじゃなくてもいいのになあ」なんて、ちょっとだけ不安もあったり笑
まあ実際のところは、この曲のリリックMVとアルバムジャケットの中面にファミリーから募った写真が使われるなど、それなりに一体感あって楽しかったです。

それよりも、ここで先行配信された「Anytime,Anywhere」がホントに良い曲で。



今回のアルバムでも1曲目に配置されてて、イントロがなく、いきなりAメロからスッと曲に入るというのが、おそらくいままでのエビ中にはなかったタイプの曲で。
新章の幕開けとしてすごく良いスタートだなあ、なんて感じます。
個人的には、Aサビとラスサビで繰り返される「そう 幸せって いつもなんで言葉にはできなくて それ故に美しいと思うんだ」という歌詞が、自分の持つエビ中さんのイメージと見事に重なるのも好きなポイントのひとつですね。

そこからアルバムは「イエローライト」に繋がるんですが、この曲が入ったことが、このアルバムを「私立恵比寿中学」足らしめんとする大きな要因なんじゃないかと。
パート割を再編することなく、さらに2曲目という配置。
個人的には、すごく大胆な編成のように感じますし、だからこそ、なにかしらの意味があるんじゃないかと思わずにはいられないんですよね。

この曲が初披露されたのは、アルバム発表から溯ることさらに1年、2020年末の大学芸会でした。



当時のエビ中の状況をいまさら掘り返すようなことはしませんが、ナタリーのインタビューで星名さんが「エビ中への手紙をもらったような気分」だったと答えているように、この曲は長年エビ中の楽曲に携わってるたむらぱんさんからエビ中への、力強い応援ソングであって。
と同時に、ああそうか、このアルバム自体が、私立恵比寿中学から私立恵比寿中学へのメッセージそのものなんじゃないだろうか。
そう考えたときに、このアルバム全体のカタチがぼんやり見えてきたような気がしました。

6人体制になってからの3年4カ月、メンバーひとりひとりが大きくレベルアップすることで生まれた、「MUSiC」「playlist」といった珠玉のアルバム。
楽曲やパフォーマンスのクオリティがどんどん上がっていく中で、メンバーも全員が成人を迎え、いわゆる等身大の中学生感は、前作「playlist」ではかなり薄まったものとなっていて。
もちろん、過去の楽曲が消えてなくなるわけではないし、年齢相応に見合った楽曲がどんどん増えていくのは当然のことなんですが、「永遠に中学生」というグループコンセプトからの乖離も、やっぱり少しずつ進んでいたように感じていました。

そんななか、昨年5月の新メンバー加入。

ただ、現役中学生が加入したからと言って、じゃあまた昔のような楽曲を…となってしまっては、ここまで積み上げてきたもの、6人が守ってきた私立恵比寿中学とは何だったのか、ということにもなりかねないですし。
ただの若返りではなく、6人のエビ中に新しい力が加わることで、プラスに作用するような進化でなければならない。
グループ自体の年齢幅も広がることで、大人になっていく自分たちと、永遠に中学生であるところの自分たちと、現在進行形で中学生を生きている自分たちがいて。

新体制の第一歩を印す今回のアルバムは、姉さんメンバー6人が「かつて中学生だった自分」に向けて歌うノスタルジーと、そこに新メンバー3人の声が重なることで生まれるリアリティ。
それらを見事に融合させて、私立恵比寿中学から私立恵比寿中学へのメッセージとすることで、永遠に中学生であることを表現したものになったんじゃないかと。

そう考えると不思議なもので、アルバムのメインコンセプトである「つながり」にもリンクしてくるようにも見えてきて。

第二弾リード曲として先行配信された4曲目収録の「ハッピーエンドとそれから」をはじめとした、「さよなら秘密基地」「ナガレボシ」あたりは時間軸を超えたつながりを。



「きゅるん」「トキメキ的週末論」「シュガーグレーズ」では、愛への渇望を歌うことで恒常的なつながりを歌ってるんじゃないか、とか。
そして9曲目に「宇宙は砂時計」を持ってくることで、それらすべてをひっくるめて永遠に終わらないものであることを示したうえで、最後は「イヤフォン・ライオット」でこのアルバムがエビ中そのものの叫びであることを歌って締める。



まあ、多少の無理やり感には目をつむって、自分の中では何となくこれで腑に落ちるところなんじゃないかと思ってます。

さらにもうひとつ、今回のアルバムにセルフタイトルを冠したことには、大切な意味があると思っていて。
それは、エビ中自身が常日頃から唱えている「最新のエビ中が最強のエビ中」であることの証明に他ならなかったんじゃないだろうかと。
時代が変わっても、体制が変わっても、エビ中はいつでもエビ中らしく、音楽的ジャンルにこだわらず「エビ中ポップス」を構築していく姿勢。
今回収録された10曲は、いままでのエビ中らしくないことが、まさにエビ中らしさの証明だと言わんばかりの想いに溢れているような気がします。


まあ、感想は人それぞれなのでね。
このブログを読んで「なるほど」と思ってくれる人がいればありがたいですし、「なんだこれ」と思われた方も、ここまで読んでくれたことに感謝です。


いずれにせよ、最新にして最高のアルバム『私立恵比寿中学』
来月から始まる春ツアーで、この世界観がどのように表現されるのか、まだまだ楽しみは尽きないですし、本当にたくさんの人に聴いてほしいアルバムです。



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