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エビ中 秋麗と轡虫と音楽のこだま 題して「ちゅうおん」2020 [エビ中-ライブレポ]

今年の2月に行われたファンクラブイベントから7ヶ月、ようやく、ようやく私立恵比寿中学の音楽を全身で感じることができる、そんな日常が戻ってきました。
「エビ中 秋麗と轡虫と音楽のこだま 題して"ちゅうおん"2020」
2017年に第1回が開催されたちゅうおんですが、野外での開催、さらにはコール禁止と、コロナ渦におけるガイドラインに適したライブというのは、少し皮肉なことではあるけれど、エビ中にこういうフォーマットがあって良かったなあ、と。
過去2回の開催はいずれも一日のみでしたが、今年は2日間×2部構成の、計4公演。
自分は19日の夜公演、そして20日の昼&夜公演を観てきました。

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会場は恒例の秩父ミューズパーク野外ステージ(写真は2日目の昼に撮ったもの)。
天気がかなり不安視されてましたが、初日のライブ中と、2日目のライブ前に少し強く降ることがあったものの、おおむね雨は上がってましたね。
持参した雨合羽はけっきょく使いませんでしたし、傘もほぼ不要でした。
2年前は東京駅からのバスツアーを利用しましたが、今回は秩父まで車で行って、西武秩父駅からのシャトルバスを利用。
座席数を制限している影響もあってか、往路はほぼ待ち時間なく乗れましたし、復路の待ち時間も長くて20分程度だったでしょうか。
思ったよりも快適で良かったです。

3公演の座席は、19日夜=N列72番、20日昼=A列73番、20日夜=芝生2列61番
不思議なことに、年に一度は最前列のチケットが当たるんですが、まさか今年はそれがここで出るとは…。
というか、今年はここぐらいしかチャンスないのに、ホント幸運なことです。
初日の昼公演前には「ここはどこー?」の声出しがあったみたいですね。
会場にもその声が届いて、客席からも自然と拍手が沸いたみたいで、なんかもうそれを伝え聞いただけでもちょっと涙ぐんでしまいました。

静寂を突き破るドラムの音が鳴り響いて、さあ、いよいよ開演です。
バンドメンバーに続いて登場したエビ中さん。
赤いドレス風の衣装に身を包んだエビ中さんは、7ヶ月という時間の経過以上に、すごく大人っぽくて妖艶で。
公演ごとに少しずつアレンジを変えてた髪形も、ものすごく素敵でした。
衣装の肌色の部分は、最初はシースルー?かと思いましたが、どうやらそういう色の裏地だったようですね。
ちょっとドキドキしました笑

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M01:風になりたい(THE BOOM)
恒例となったカバー曲でのスタート、今年はTHE BOOMの「風になりたい」。
歌い出しが歌穂ちゃんだった時点で、もうなんかいろいろこみ上げるモノがあったんですが、ユニゾンで歌う「天国じゃなくても 楽園じゃなくても あなたに会えた幸せ感じて 風になりたい」の歌詞が、この状況もあって余計に心に刺さりまして。
この曲が発売された当時は、自分はまだ高校生でしたが、あのころ聴いた歌詞がまさかこんな形で心に染み入るだなんて、まったく想像できなかったなあ。
そして、エビ中さんたちの歌声。
配信でのライブはあったとはいえ、久しぶりに客前に立つステージで、しかも慣れない生バンドにもかかわらず、そんなものは一切の不安要素にならないですね。
相変わらずのクオリティに、ただただ脱帽です。

M02:君のままで
6人揃ってのライブは1年振りですから、オリジナルの一曲目はもうこれしかない。
安本さんの歌声がホントに力強くて、でもそれだけじゃなく、他のメンバーの歌声からも想いが伝わってくるようで。
ただ、感傷に浸りながらも、しっかり音楽は楽しめました。
サビの「Say Yeah」で拳を振り上げるのも、いままでのちゅうおんにはなかったスタイルですが、声を出せない状況だからこそ、こういう変化が生まれるのは素晴らしいです。

M03:自由へ道連れ
この曲のBメロでも、「フゥー」のところで声は出さなくとも手を挙げるフリしたりして、会場が一体となって音楽を楽しんでる雰囲気に。
2番アタマの高速ドラムを真似する歌穂ちゃんがカワイイ。
歌穂ちゃんは自分のパートじゃないところでも、バンドメンバーの動きを当て振りしたり、ホントに楽しそうでした。
そして、柏木さんの笑顔での「道連れしちゃうぞ」。
ハイ、しっかり道連れされましたとも。

M04:SHAKE!SHAKE!
アゲ曲が続いたあと、少し静かなイントロになんの曲だろうと思ってたら、歌穂ちゃんの歌い出しで、一気に会場に爽やかな風が流れ込んできたようで。
ハンドクラップしたり、「純情・友情・バカ参上(ハァーイ!)」で手を挙げたり、よくよく考えれば客前では初披露になるんですが、そんなことは微塵も感じさせませんでした。
声を出しての掛け合いができればもっと楽しいでしょうし、そういう日が早く戻ってきてほしいですね。

M05:誘惑したいや
6人での再録をしたこの曲ですが、再録前にも何度も披露しているはずなのに、再録を聴いてからだとなんだか聴こえ方が違いますね。
個人的には、2番サビで美怜ちゃんが「分かってしまった」のところを「わか(ぁ)ってしまった」って小さい"ぁ"を入れるような歌い方してるのがすごく好きです。
そしてそのあとの、歌穂ちゃんの「痛くて苦しくなるのかな」の"か"を、ちょっと裏返したように歌う発声が、もう、堪らないんですよ。

M06:感情電車
この曲はもはや、音が鳴り出す前の歌穂ちゃんが纏ってる雰囲気だけで「あ、次は感情電車だな」って分かるようになりました。
それにしても、メンバーの中では比較的歌い出しを担当することが少ないにもかかわらず、ここまで6曲中3曲が歌穂ちゃんの歌い出し。
以前のぽーランドのレポでも書きましたが、歌穂ちゃんの歌声にはその場の空気を創り出す力がありますし、それこそ「SHAKE!SHAKE!」や「感情電車」のようにイントロのない曲で、最初の発声で会場をその曲の空気に染められるのは、ホントに素晴らしい。
それなのに、2番サビの「踏み出してよぐっと突き進んで」で一歩前に踏み出すしぐさをするようなお茶目なところもあったりして…もう大好きです。
そして、「その空」。
自分は3回聴きましたが、1回目と2回目は優しく会場に響かせて、最後の一回はその中に力強さを織り交ぜて、秩父の空へと高く高く響かせていました。

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M07:23回目のサマーナイト(バラードver.)
新曲を、まさかのバラードバージョンで披露。
ていうかですね、感情電車でフォーメーションの入れ替えがあって、最前列で見た日曜昼の公演のときは、真正面に歌穂ちゃんがいるわけですよ。
もちろん、土曜夜公演の時点でそうなることは分かってたんですけど、いざ目の前に歌穂ちゃんがくると、誇張表現ではなく本当にこれは夢なんじゃないかって。
1番Aメロの「偶然合ってる好み~」を莉子ちゃんと2人で見つめ合いながら歌ったところは、マスクしてなかったら確実に出禁になるレベルでニヤニヤしてしまいました。

そしてここからは、ちゅうおん恒例のソロカバーコーナー。

M08:ノーダウト(Official髭男dism)/真山りか
まずは真山さんがトップバッター。
曲フリのメンバー紹介は毎回違うコメントでしたが、中継のなかった回だと「タコさんウインナーみたいな髪形」なんて弄られてました笑
ヒゲダンは、もちろんバンド名は存じてますが、曲を聴くのは初めて。
これは他人には全く伝わらない個人的なイメージなんですけど、真山さんの歌声って「正立方体」のイメージで、たとえば「春の嵐」や「Liar Mask」もそうなんですけど、この曲もそのイメージにピッタリ合ってたような気がします。

M09:タマシイレボリューション(Superfly)/星名美怜
美怜ちゃんは過去のカバーも椎名林檎やあいみょんといった実力派シンガーでしたが、これまた正統派に歌い上げる感じの選曲になりました。
声質的にも合ってるのは間違いないんでしょうけど、難易度の高い曲をここまでしっかり歌いきることができるのは、さすがですね。
かといって「なりきり系」でもなく、美怜ちゃんらしさを前面に押し出してるあたりが、美怜ちゃんの表現力たるものなんだろうなあ。

M10:wonderland(iri)/柏木ひなた
アルバムplaylistでiriさんが提供してくれた「I’ll be here」では、1番すべてを柏木さんが歌っていますし、こういうR&Bの雰囲気はビタッとはまりますね。
柏木さんのレベルまでくると、新しい何かに挑戦するというより、すべてを自分のものにして磨き上げてる感じで、このパフォーマンスも圧巻の一言でした。
なんかもう、途中からはエビ中のライブに来ていることを忘れるぐらいでしたもん。
素晴らしいです。

M11:金木犀の夜(きのこ帝国)/安本彩花
個人的に、今回のカバーの中で一番心に残ったのは安本さんのカバー。
曲ももちろんなんですけど、とにかく安本さんの歌声が素敵すぎました。
あんなにも混じりっ気がなく透明でのびやかな歌声は、他では聴いたことがないですし、安本さんだけが奏でられる唯一無二の宝物なんじゃないかしら。
ああ、でも、うん、そうだ、これが安本さんの歌声なんだ。

M12:糸(中島みゆき)/小林歌穂
先ほども書きましたが、日曜昼は最前列(しつこい)だったんですよ。
誰が想像できますか、目の前で歌穂ちゃんが「糸」を歌う光景を。
安本さんに「美人度が増した」とか「ワタシの携帯番号登録してなかった」とかさんざん弄られておどけてたのに、イントロ鳴った瞬間にバチンと何かが憑依したような眼差しに変わって、もうそこからは身動きが取れませんでした。
ステージを移動しながら、表情豊かな歌声でゆっくりと糸を編んでいく歌穂ちゃん。
それは歌を届けるというよりも、会場全体を歌の世界に包みこんでいくかのような、そんなパフォーマンスだったように思います。

M13:愛のために(奥田民生)/中山莉子
莉子ちゃんの選曲は毎回意外性があって面白いですが、今年もまさかの選曲。
ただ、それでも何故かピタリとはまる莉子ちゃんのボーカル力ですよ。
個人的には、日曜の昼公演が一番ハジけてて、中継のあった夜公演は少し丁寧に行きすぎたかな、というのがちょっと勿体なかったかなあ。
もしかしたら、日曜昼のパフォーマンスが荒ぶってたのは、「ストレッチポールをタイムセールで買ってた」と歌穂ちゃんにバラされてご立腹だったのが原因かしら笑

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M14:紅の詩
ラスサビ前のハートを作るところ、真山さん美怜ちゃんペアがイチャイチャふざけてたり、彩ちゃん歌穂ちゃんペアは指ハートでイチャイチャしたり(中継ではやらなかった?)。
普段のライブと違って振り付けがないですが、こういうちょっとした遊び心が嬉しいですね。

M15:バタフライエフェクト
イントロのバンドアレンジが、トリハダ立つぐらいむちゃくちゃカッコ良かった。
というか、全体的にアレンジが素晴らしかったような気がします。
いつもだとアウトロがちょっと冗長気味というか間延びするというか、そんなイメージのあったこの曲ですけど、完全に覆させられましたね。

M16:(昼)ちがうの (夜)スターダストライト
昼と夜の公演でセトリの入れ替えがありましたが、ちがうののバンドアレンジも良かったですし、スターダストライトのライトアップ演出は言わずもがな。
いや、それでも、基本ユニゾンのスターダストライトをソロで歌い繋いでいったというところで、夜公演に軍配が上がるかな。
空はあいにくの曇り空でしたけど、ドームの屋根に星影のように映し出されたライトの演出が、雰囲気をさらに引き立てていました。

M17:まっすぐ
2年前のちゅうおんでも披露されましたが、そのときとはまたアレンジが変わり、2番から一気に音の重なりが厚くなるという編成に。
これが本当に素晴らしかった。
メンバーも2番からは椅子から立ち上がっての歌唱となって、オケの重厚さに負けないぐらいのボーカルでしたし、この曲はまだまだ進化し続けてますね。
2番サビの「ギュってね」で歌穂ちゃんの手元をアップにしたカメラマンはGJですが、贅沢いうなら、落ちサビの安本さんを見つめる他のメンバーの表情も残してほしかったなあ。

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M18:踊るロクデナシ
これまたアレンジがすごくカッコ良かった。
こういう打ち込み曲のバンドアレンジはやっぱり気合が入るんでしょうね。
そして、曲の途中でバンドメンバー紹介があったんですが、それぞれのソロ演奏のときにしゃがんで見守るエビ中さんたちの、「すごーい!」とか「かっこいー!」とかいうリアクションがいちいち可愛くて、むしろそっち見ちゃいました笑
エビ中バンドのみなさん、いつもいつも素敵な演奏ありがとうございます。

M19:(昼)頑張ってる途中 (夜)星の数え方
ここも昼夜でセトリ変更。
こっちもボサノバ風のアレンジが素晴らしかった夜公演に軍配かなー。
ただ、頑張ってる途中はりこちゃんの「こっちだよー!」を目の前で見られましたけどね!

M20:23回目のサマーナイト
そしてラストは、これまたまさかの2回目の「23回目のサマーナイト」。
バラードバージョンでは省略されてたセリフも披露されましたが、安本さんの「もう…このあと、どうすんの?」のあとに照れる歌穂ちゃんが可愛かったなあ。
そして、「これ以上、わたしに言わせないで」。
それまではちょっとグダる感じもあったんですが、中継では6秒も溜めるというタイムキーパー泣かせの荒業に出る真山さん、さすがです。
メンバーのフェイクコーナーもあったりして、ホントに楽しく大団円を迎えることができました。


冒頭にも書いたように、7カ月ぶりに観客を入れてのライブとなった今年のちゅうおん。
3年前の初開催のときは、あくまで挑戦的な試みという立ち位置だったこのライブが、いつの間にか、エビ中の素晴らしさを120%体感できるライブへと成長しました。
今回も「コロナ渦だから仕方なく」ではなく、「コロナ渦でもエビ中にはちゅうおんがあるじゃないか」という前向きな姿勢で開催できたのは、やっぱりここまで努力を怠ることなく積み上げてきたエビ中さんのパフォーマンスがあってこそ、なんじゃないでしょうか。

コロナ渦という状況をけっして悲観的にせず、安本さんの復帰も大袈裟に感傷的にせず、いつも通りのちゅうおんを、特別視することなく見せてくれたということ。
そしてそれと同時に、ライブができるというのはけっして当たり前の事ではない、ということ。
ここ数か月に限らず、エビ中ファミリーをやってる身からすると、何年も前から身に染みて分かってることですが、あらためて思い知る2日間になりました。

当たり前ではない日常と。
特別ではない非日常。

麗らかな秩父の秋空にこだまする、エビ中さんの音楽と、虫の音色。
この2日間に起きた夢のような出来事は、少し湿った冷たい空気とともに、いつまでも胸の奥底に留めておきたいと思います。

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ちゅうおん開催に関わった全ての人に、感謝を込めて。




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